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- 別冊ちゅらぼし日記 第5号 -
「美ら地球学級」 奈良生駒台小学校訪問記 -2-

帰国後、3度目の訪問

2006年2月14日、昨年と全く同じ日に私たちは3度目に小学校を訪れた。
前回と違うのは、これから会う子どもたちとは全く面識がないことである。南アフリカで手紙をもらったほか、サイトに何度か質問をもらっているが、会うのははじめて。今年の5年生たちはどんな子たちなんだろうか? わくわくしながらまた視聴覚室へ向かった。


3度目の視聴覚室

今回の授業内容は、1時限目「旅について」と2時限目「世界の人々の暮らしについて」。
1時限目では昨年と同じく、持ち物クイズ、実際のバックパックと中身を見せたり、バックパックをしょってもらったり。

2時限目では、私たちが実際に見てきた人々の暮らしをいくつか紹介した。
オシワンボの人々(ナミビア)、マサイの人々(ケニア・タンザニア)、チチカカ湖の人々(ペルー)などである。
電気も水道もない暮らし、現地で手に入る自然の恵みを最大限に生かして生活する人々の暮らしの紹介は、日本とは全く違う国があるという事実を知ってもらうには役立ったようだ。


バックパックを背負ってもらう

2クラスずつ、計4時間の授業を終え、校長室に戻ると私たちのために用意されていたのはなんと給食!!

なつかしいトレーに牛乳ビン。何もかも移り変わりの早い日本でこれだけは変わっていないような気がしてちょっとうれしくなった。


給食をいただく
お礼状の山
  

訪問から1週間もしないうちに自宅に小学校から分厚い封筒が届いた。
なんと 生徒ひとりひとりからの手紙だった。訪問の次の日、早速感想を書いてくれたようだ。何かプレゼンをした後のフィードバックほどうれしいものはない。しかも子どもたちから。


届いたお礼状

夢中で読み続けた手紙の中からいくつか彼らの生の声をご紹介したいと思う。
みんなは授業でとりあげたいくつかのトピックに各々反応をしてくれていた。

世界の暮らしでびっくりトピックに多くあがったのは、チチカカ湖の葦でできた浮島ウロス島の話、伝統的なマサイ族は牛の血と牛乳を飲んで生活すること、同じくマサイが牛の血をとめるのに牛の糞を使うことなどである。

他に旅の準備で予防注射をたくさん打たなくてはいけないこと、バックパックが20kgもあることなども印象に残ったようである。

かと思えば、あんまり興味を持っていない子たちもいる。文面を見ればすぐわかるものだ。そんな手紙も面白い。たまにどこで覚えたのか社交辞令のような言い回しも見られて逆にほほえましい・・・

さてここではせっかくなのでいくつか子どもたちの感想をご紹介したい。

  • 「どうして旅に出たんですか」という質問に行きたいから行きました」という言葉が一番心に残っています。なぜかというと目標はなくても深い理由がなくてもやりたいことは実現できるということが改めてわかったからです」
  • 「ぼくは海外旅行にも行ったことはないので、あまり外国のことは良く知らなくて初めてのことばかりで楽しかったです。そのおかげでぼくも旅してみたくなりました。今はそんなお金はないけど拓さんが行ったように夢を持っていれば必ずかなうということが少しだけわかった気がしました。」
  • 「ナミビアの子供たちのせんたくの事におどろきました*。私はこのことを聞いて、せんたく板でどろまみれになったTシャツを洗ってみました。でもなかなかとれなくて、けっきょくせんたくきで洗いました。もしナミビアの人たちと会うきかいがあるのなら、まずせんたくのしかたとおしえてもらいらいです。」 (* アフリカでは手洗いが基本。洗濯機はないけど、子供もすごく洗濯がうまくて拓のまっくろ靴下がまっしろになったよという話をしたので)

  • 「一番すごいなーと思ったのはソーラーパネル1枚だけでまちのでんきをつかっていることです。これからはでんきをむだずかいをしないようにしたいと思いました。」
  • 「実は私にも夢があります。それはヘアメイクアップアーティストです。メイクの力はすごいということを教えてあげたいんです。ほんの少しのきっかけで夢はじつげんするかもしれないんですよね。だから私は夢をめざします」
  • 「いちどあーゆうアフリカなどの人々の暮らし方をしてみたいし、いってみたいとおもいました。理由はふだんは日本人のかぎりあたりまえの生活をしているし、海外へいってもホテルにいるのでそんなに生活のしかたがかわらないからです。」
  • 「世界はすごいくらし方をしている人が多くてビックリしました。特に牛のぎゅうにゅうと血だけでくらしている人はそれだけで大丈夫なのか不思議です。もしかすると・・・・私たちの生活がぜいたくすぎたと思います・・・(アハハハハー)

もっともっと見たい方はこちら

世界の人々の暮らしを紹介しつつ、今の日本の便利生活が決して当たり前でないことを少しでも伝えたかったのだが、コメントを見るとちゃんと伝わっていたようで安心した。

また、「なんかこんなことしたい!とかXXになりたいとか夢のある人!?」ときいたときは恥ずかしいのかほんの数人しか手があがらなかったものが、手紙には何人もが夢を書いてくれていたのが非常にうれしかった。

さいごに
  1.5年に及んだ旅行期間、アクセス数がさして増えない「寺子屋ちゅらぼし」の更新を辞めようと何度も思った。旅の期間中、サイトアップにかける時間は決して少なくはない。ましてや顔の見えない海の向こうの子どもたちが、どんな顔をしてみているかもわからないし・・・ということで、もういいか・・・と何度も思った。
でも、その度に自分を戒め、言い出したことは最後までやり遂げようと自分に言い聞かせた。

今回の訪問はそんな自分たちの活動をやり遂げてよかったと実感できる結末を提供してくれた。決して大成功!とは言い切れないかもしれない。でも、少しは自分たちが想像していたゴールにたどり着けている気がする。

やはり、この喜びは大好きだ。時間を取り直して、もっと多くの子どもたちに語り掛けたい。

※ 今回、ご協力していただいた先生方からのメッセージをいただきました!
こちらからどうぞ! → 森井校長先生 | H17年度 5年生担任 浪越先生

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