ここでの暮らしはほぼ自給自足に近い昔ながらの生活。
首都ウインドホックに出稼ぎに出ている人も多い。またエイズの影響もあり、孤児も少なくないので、同じ家系の人だけが一つ屋根の下に住むというわけではないようである。
お世話になっていたホストファミリーの人間関係も結局、全てを理解することが出来なかった・・・。
雨期に成長する家の周りの畑で育てたマハングを保存し、一年を通して食べる。
鶏、牛、ブタ、羊などは家の庭で飼っているが、特に牛は縦横無尽に村中を歩き回っている。
牛たちの顔を見れば、その牛が誰の牛かわかるそうな・・・。
私たちのホストファミリーの家は村の中でも最先端。 電気はあるし、水も庭に蛇口がひとつ。庭にはキッチン(というよりかはいろり)とリビングがある。電気はきているのに料理をするときに電気は使っていない。シンプルな料理なのであまり明かりは必要ないし、出来具合を見たいときは火のついた薪をかざしてみる。
同じく庭にあるリビングは昔は男性しか入れず、男性は食事ができるのをここで待ち、女性はキッチンで料理してここに運んでくることだけが許されていたそうだ。今はそのしきたりは守られていないようだが、メメ・ウゥシクは拓が料理を運ぶのを手伝おうとすると、「男なんだから座ってなさい!」といわんばかりにリビングに座らせ、嬉しそうに昔はそういう慣習があったということを教えてくれた。
電気、水道、ガスもない家がほとんどで、村のはずれにあ
る井戸まで水タンクをロバの背中に乗せて、水を汲みに行く。
村長の息子ベンジャミンの家にお邪魔したときは、真っ暗な部屋の中を慣れた手つきでマッチを探し、ロウソクをつけてくれた。
時計もほとんど持っている人はいないので、腕を伸ばして掲げ、「太陽がこの高さにある頃に・・・」と話をする人も多い。