飛騨民家のお手入れお助け隊は、インターネット等を通じて全国に呼びかけ、古民家を筆頭とした伝統的な日本家屋を愛する方々と一緒に、飛騨市周辺にある 昔ながらの家屋にお住まいのご家庭を訪問、家屋のお手入れ(掃除など)をお助けする、言うなれば飛騨民家を応援するプロジェクトです
時代の移り変わりと共に姿を変える暮らしのかたち
わたしらだけで住むには家が広すぎて、もう何年も柱も梁も昔みたいには磨いとらん
そう語られる方が多くいらっしゃいます。
岐阜県飛騨地方にある伝統的な工法で戦前に建築された農家民家の多くは、どれも太い柱や巨大な梁を構え、今では考えられないほどとても堅牢で立派な造りになっています。
昭和三十年代頃までは、曽祖父母から孫ひ孫まで何代もの家族が一家として大きな家に身を寄せ合って暮らし、お盆の頃や新年を迎える前になると、一家総出で大切にお手入れをされていました。
しかし核家族化の進んだ現在に至り、一家の人数に対して家の規模があまりに大きすぎることから、普段のお掃除は掃除機をかけるのがやっとで、それまで長年にわたり続けられてきたようなお手入れを隅々まで行うのが一家の大きな負担となっています。
飛騨民家とその地域の奥深い魅力に触れる
地域の宝、日本の宝といってもよいようなお宅のお手入れをお手伝いさせていただくことで、自分の家はとても価値のあるものだと改めて思っていただくきっかけになれば、これからも大切に住み続けていただけるのではないか、そしてそれこそが、飛騨の伝統的な民家を後世まで残し伝えることにつながるのではないかと、私たちは考え、飛騨民家のお手入れをお手伝いする、「飛騨民家のお手入れお助け隊」を実施しています。
梁や柱の磨き上げ、板敷きの床の雑巾掛けなど、家屋内外の清掃等を通し、冬の板の間の冷たさ、間仕切りのない大きな部屋の、その広さや空気感、木のぬくもり、先人の生きるための知恵、重ねられた歴史の重みや息吹など、単に見て回るだけでは気付けなかった、あるいは知ることのなかっただろう飛騨民家とその地域の奥深い魅力の隅々にまで触れるとともに、地域住民とのコミュニケーションを通じて、皆さんにも多くのことを考える機会となるだろうと私たちは考えています。