オカバンゴ・デルタ モコロトリップ / Okavango Delta Mokoro Trip  #1

 

アンゴラで降った雨がオカバンゴ川を経てボツワナの乾いた地に流れ込み、広大な湿地帯を作り出し、水と草木を求めてやってくる動物たちのオアシスとなる。それがオカバンゴ・デルタである。
デルタにいくつもできる島にはキャンプやロッジが点在しているが、水に覆われているそこへ行くにはセスナで行くしかない。(ローカルによるとモコロで一日中漕げば4日で着くらしいが)

私たちはこの地上の楽園オカバンゴ・デルタにあるGunn's Campというところで3泊4日のモコロトリップ&キャンプをしてきた。
モコロとは古くからこのあたりで使われている手漕ぎボートのことで、長いポールで水底を押して漕ぐ。オカバンゴ・デルタを楽しむにはなんといってもモコロトリップが一番である・・・

「写真がとにかく見たい!」という方はこちら

8/2
Day1

8:00 マウン空港集合 チェックインをすませ、外に出るとセスナが何十機も並んでいる。
セスナに乗るのは私(=慈芳)は人生2回目。拓は人生初。わくわくである。

Gunn's Campに向かう客は私たち以外にオランダ人が2人。それにパイロットを含め、5人+荷物でセスナは満杯である。
車に乗り込むのと同じ感覚なので、ジェット機のように搭乗に時間はかからない。
シートベルトを締め、簡単な緊急手順を聞くとすぐにプロペラがぶんぶん回りだした。


マウン空港にて

滑走路をちょっと走ったかと思うとあっという間に空の上。南部アフリカで最も楽しみにしていたオカバンゴデルタ、空からはいったいどんな風に見えるのだろう・・・
離陸から5分もたたないうちにもうオカバンゴ・デルタの上空に。それは期待を裏切らない美しい光景だった。
眼下に広がっているのは、マウンの町の乾いた雰囲気とは全く異なる、緑と青い水の世界。よくよく見ると、動物の群れやゾウが見えたりする。

これはすごい・・・ 2人して夢中で窓の外を見る。が、マウンで会ったキャンパーにあまり下を見ていると気分が悪くなるとも聞いていたので、たまに地平線を眺めてみたりする。


セスナからの眺め

Gunn's Campまではほんの20分のフライト。気付くと地上に戻っていた。
滑走路ではキャンプマネジャーとポーラーが待っていた。ポーラーとはモコロを漕いでくれる漕ぎ手兼ガイドで、モコロトリップの全てははポーラーの質にかかっているといっても良い。

私たちを世話してくれるポーラーはムツェピ。なかなか頼りになりそうな感じである。
マウンへ帰っていくセスナを見送った後、滑走路のすぐ横にもうモコロが待っていた。まずは拠点となるブッシュキャンプへ向かうらしい。
早速荷物と共に乗り込み、出発。

モコロは水草にすれてサラサラと音をたてながらも水面をスィーっと滑っていく。最高に気持ちいい!
今まで、自分で漕ぐカヤックやカヌーはやってきたが、人に漕いでもらうというのは初めて。こんな贅沢していいのかという感じである。


モコロでスィー

ブッシュキャンプには、トイレ、シャワー、レストラン、バーなどがあり、モコロトリップの拠点となっている。
ここで、キャンプマネジャーにいろいろと説明を受けたりするのだが、目の前に広がる緑のオアシスに気もそぞろ。

今回私たちは3泊ウィルダネスキャンプをすることにしていた。ウィルダネスキャンプとは、その名の通り、何の施設もない、デルタの真っ只中でキャンプすること。ここブッシュキャンプでも十分にワイルドだし素敵ではあるが、私たちとしては最も自然に近いところにいたいのである。


ブッシュキャンプのテラスで

簡単な手続きと水を汲んで、早速モコロでキャンプ地へ向かって出発。キャンプ地選びはポーラーに完全に任されている。どの時期、どんなところが良いか、経験を積んだポーラーだけが知っているのだ。そもそもデルタの中はどこも似通った景色。地図もないし、漕ぎ進むうちに方向感覚もなくなってきて自分たちがどこにいるのかわからなくなる。ポーラーは、島に見えるヤシの木の並び方だの、小さな水路がどう流れているかを覚えていて、ちゃんと位置を把握している。

途中ゾウや水鳥を観察しながら、30分くらいモコロを楽しんだ後、昼過ぎくらいにキャンプサイトに到着。270度くらい視界の開けたところで、それゆえここがお気に入りのサイトだという。
たしかにここに座ってみているだけでも動物が出てきてくれそうな感じだ。

サイトにつくと、まず火を焚く。火は動物がサイトにこないように24時間焚きっぱなしなのだ。寝る前に火は消すという先進国の常識はここで覆された。

そして、動物に会った時にどうするかの説明も受ける。レオパードとは目を合わせない、ライオンと出くわしたら背を向けて逃げない、などなど。
すごいところに来たものだ・・・


キャンプサイト

ランチ後はしばしシエスタ。この時間は動物もあまり動かないので、人間も休憩。
15時半からもう一度モコロで出発。今度は10分くらい漕いで島に上陸。そこからブッシュウォークである。

今までゲームドライブはしたが、歩くサファリは初めて。
まずは砂地の上に様々な 動物たちの足跡がところ狭しと残っているのにびっくりする。
これはインパラ、これはキリン、こちらはハイエナ、とムツェピがいろいろ教えてくれる。
そしていろいろな鳴き声もきこえてくる。
動くモコロの上からではじっくり見られなかった水鳥などを思う存分楽しめる。
これはまた病みつきになりそうな予感。

島の上では様々な鳥たちのほか、インパラ、ツェツェビィ、シマウマ、キリンなどを見ることができた。


Saddlebilled Stork
(ブッシュウォークで)

1時間ほど歩いただろうか、いつのまにかモコロに戻って来ていた。キャンプサイトに帰ったころにはちょうど夕焼け。
夕食をすませ、たき火を囲む。ムツェピはブッシュマンの部族出身だそうで、モコロガイドだったお父さんを見習ってガイドへの道をすすんだそうだ。
ガイドになるにはこのあたりの地理を覚え、動植物の名前や性質を覚え、試験に受けてライセンスをとらないといけない。この豊かな自然にいる動植物を全て覚えるのはさぞかし大変だろうなぁ・・・

夜になるとライオンの咆哮が聞こえ始める。風上で吼えて風下に獲物を追い込むんだそうだ。真っ暗闇の向こうでライオンが狩をしていると思うとゾクゾクする。
またカバのブヒブヒいう音もすぐ近くできこえてくる。カバは夜になると水から出てきてあたりをうろつくらしい。

おぉ、ワイルド・・・


夕焼けのデルタ

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