第21回 飛騨市古川町大野町内 吉城の郷

開催日
2014年5月18日
参加者数:
28名

吉城の郷、第2弾!

今回は第18回にお手入れさせていただいた、明治3年築、敷地面積800坪の飛騨地区の名家、第2弾です。昨年9月に満を持して「吉城の郷」としてオープンされ、以後、母屋である旧佐藤家住宅、3つある蔵のうちのひとつを美術館スペース、もうひとつをカフェスペースとして、毎日大勢のお客様にご利用いただいております。今回は未使用のままになっていた2階部分のお手入れを実施することになりました。

さらに初の試みとして、「お助け隊キッズ」も同時開催。子供たちに1階の床をピカピカに雑巾がけしてもらい、古民家の奥深さに触れてもらいます。併せて、おうち探検やもちつき隊も開催。保護者の方も一緒になって参加していただきます。

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お助け隊+キッズお助け隊

 今年最初のお助け隊は大変日差しの強い日になりましたが、家の中に入ればひんやり汗も引っ込むほどの涼しさです。飛騨の古民家がいかに夏過ごしやすく作られているかを体感できます。2階の元女郎部屋だった小部屋などは長年使われていなかったため、床や壁の汚れにも年季が入っています。お手入れに要するバケツと雑巾の量はかなりです。壁に貼られたまま色あせた昔の新聞紙に時の流れを感じます。

この日のお助け隊参加者のほとんどがリピーターの方でしたが、県内・外から初参加の方もみえてなんとも心強い限りです。それぞれのお手入れ場所の担当の振り分けが済むと、皆さん率先して動いてくださいます。2階へ上がる階段は多少安定感に欠けていたので、お助け隊当日を迎える前にお助け隊スタッフで階段をつけかえたり、床を掃いたり、掃除機をかけたりしましたが、この日も皆さんまずは床からしっかりと水拭きしてくださり、汚れをかなり取り除いてもらいました。2階は風通しが1階に比べてそれほどよくないので、皆さんたちまち汗だくです。

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大人たちが額に汗の粒をたくさん浮かべて手を動かし続ける中、吉城の郷に賑やかな声が響き始めました。いよいよ子供たちが集結!お父さんお母さんと一緒にあちこち覗き見ながら、好奇心いっぱいの目を輝かせています。上手に水拭きできるかな。おうち探検、楽しんでくれるかな。餅つきのとき、杵を持ち上げることは出来るかな。こんな広いおうち、見たことあるかな。いろいろ聞いてみたいことがあります。

子供らにお願いするのは、以前お手入れお助け隊が入った1階の囲炉裏のある部屋。ここを、みんなに雑巾がけしてもらいます。子供らは先入観がないせいか、みんな素直に大人が言うことに耳を傾けてくれます。本当に可愛らしくて、頼もしい助っ人です。小さい手に雑巾をもって、ちゃんと木目に沿って一生懸命拭いてくれました。中には、途中転げまわる男の子もいましたが、子供らに磨いてもらえて、元気に走り回ってもらえて、お家も嬉しそうにしているように感じるのは気のせいでしょうか。

 おうち探検ともちつき

 子供らには、雑巾がけの他におうち探検と餅つきも用意されています。家主の石原さんにまずは家の中を案内してもらいました。自分たちが暮らす家と比べて、子供らの目には吉城の郷はどう映ったことでしょう。広くて遊ぶのにはもってこいと思ったかもしれませんね。

餅つきは、お父さんお母さんらの協力も得て、みんな力いっぱいお餅を搗いてくれました。ひとりひとり交代しながら杵を振り上げて、どっこいしょ!私が米ぬかを温めている傍らで、子供らの楽しそうな笑い声がしています。ぺったん、ぺったん。よもぎやあんこ、あぶらえは、地元のお母さんが「子供らには本物を食べてもらいたい。」という想いのもと準備してくださり、私自身学ぶことがたくさんありました。

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子供らが搗いたお餅と、地元のお母さん特製の豚汁とおにぎり

私たちがお手入れしている間、炊事場ではお母さんやそのまた娘さんたちが豚汁やおにぎりを準備してくださっていました。本当にありがたく、毎回感謝の気持ちでいっぱいになります。炊事場から匂ってくる豚汁の匂いほど、私たちのやる気をみなぎらせてくれるものありません。お手入れ後、きれいになった2階の肴に、お茶と用意していただいたご馳走をみんなでお腹いっぱいいただきました。子供らの手で丸められた大小様々な形のお餅がお皿の上に並べられていて、なんとも微笑ましい気持ちになりました。

家主さんは、古民家再生をかけた想いとともに、継続することの大変さ、難しさも吐露されておりました。古民家を大切にしたい強い気持ちがあっても、それだけではままならない現実もきちんと知った上で、若い世代の方にも、古民家の在り方、空き家の活用方法について今一度考えていただけた貴重な機会になったことと思います。

 参加者からのコメント

  • 前に参加したときから2階部分も気になっていたので、また吉城の郷のお手入れができて光栄です。(30代 男性)
  • 初参加です。家具のデザイナーをしています。今日は立派な古民家を間近に見ることができて、色々なアイデアをいただきました。また機会があれば参加したいです。(20代 男性)
  • 2階部分は、床すべてをみんなでしっかり水拭きしないといけないと思い、汗だくでやりました。壁に貼られていた古い新聞の記事が気になって仕方ありませんでした。(30代 男性)
  • またこうして参加できて嬉しく思います。前に参加させていただいた古民家は、当時お住まいだったおばあさんが施設に入られたため空き家になったと聞きました。寂しいですね。(30代 女性)