第8回飛騨市河合町元田地区

開催日: 2010年9月26日
参加者数:: 9名

今回のお手入れお助け隊は、のどかな農村集落、飛騨市河合町の元田地区にある農家民家で行なわれました。河合町は古川町市街地から車で20分程世界遺産白川郷方面に行った所にあり、周辺を深い山々で囲まれた日本でも有数の豪雪地帯です。

お手入れするのは、築150年以上の大きな民家で、玄関先には農村民家特有の走りこみという広い作業スペースがあり、家の中はかがみざしや中丑といった太い柱・梁が特徴的でした。昔はこの家の柱磨きを家族みんなでしていたそうですが、現在、家族は90歳のおばあちゃんとその娘さんの2人だけになってしまい、最近はお手入れをすることがほとんど出来なくなってしまったそうです。今回この家のお手入れのお手伝いをするために、インターネット等を通じてお助け隊の募集を行ない、各地から6名のボランティアが駆け付けてくれました。全員が今回初めてのお助け隊参加でした。

最初におばあちゃんからのご挨拶、参加者からの簡単な自己紹介をしたあと、お助け隊リーダーから作業手順の説明を受けお手入れ作業を開始しました。

まず、足場を組んで梁の上などの手の届きにくい場所の埃落としから始めました。ほうきで掃う度にたくさんの埃が落ち、その後、濡れた雑巾で拭くと雑巾はすぐに真っ黒になり、もう何年もお手入れに手をかけられていない様子が窺えました。

水拭きの後は、米ぬかやクルミを使って梁や大黒柱などを磨いていきました。参加者のほとんどが植物性の油を使った昔ながらのお手入れ作業は初めての経験でしたが、クルミで大黒柱をていねいに磨いていくと、柱は静かに光り出し、その柱に映った自分の姿を見てとても感激し、さらに磨く手に力が入っていました。

埃落としに思ったよりも時間を取られてしまいましたが、何とか時間内に作業を終え、作業後は2階のお部屋をお手入れ隊リーダーの案内のもと見学をさせてもらうことになりました。飛騨の農家民家は、終戦頃までどの家でも蚕を飼っていました。この家でも2階全体が蚕を育てるための作業場となっていたため、部屋の仕切りなどはなく、たいへん広いスペースとなっていました。お助け隊リーダーから大黒柱の位置や梁の組み方等の家の構造の話を聞いたり、おばあちゃんからは乾燥保存されていた薬草の利用方法を聞くなど、昔から伝わる暮らしの知恵に触れることができました。

2階の見学を終え、1階に戻るとお助け隊のメンバーによる昼食の準備が出来ており、炭を焚いた囲炉裏で温められた豚汁鍋を囲んで、煮いか、漬け物の昼食を頂きました。おいしい昼食を食べながら、お助け隊のメンバーがおばあちゃんに積極的に話かけ、17歳でお嫁に来た頃の話や、馬屋で馬を飼っていた頃の農家の暮らしの話をしていただき、現代の生活とはまったく違う昔の習慣や生活に参加者みんなが興味を持って耳を傾けていました。おばあちゃんも、久しぶりに多くの若い人に囲まれ、とても生き生きと楽しそうに話をされていたのが印象的でした。

今回は、お手入れ作業を通じて家の方との交流が図られ、おばあちゃんの喜んだ笑顔を見られたのが最大の収穫だったように思います。また、参加者のメンバーにもとても満足してもらえたようで、是非また参加したいと何人かに言ってもらえ大変嬉しく思います。今後も皆様に愛されるお手入れお助け隊の活動を続けて参りますので、是非皆様のご支援をよろしくお願い致します。

参加者からの感想

古民家お掃除お助け隊に参加させていただき、ありがとうございました。
現在も住まわれている、古いお家にあがらせてもらえることは、この地に来たばかりの私にとって、滅多に無いことですので、とても貴重な体験になりました。
また、米ぬかを使った昔ながらの手法でのお掃除も初めてで、柱を磨く度に、鈍く深い艶が現れてくるのを感じられ、家の重みを実感できました。
笑顔のとても素敵な家主様と、企画実行して下さいました美ら地球様に感謝を申し上げます。また、次回も是非参加したいと思っておりますので、よろしくお願い致します。
（24歳、女性、高山市）
先日は、大変お世話になり、ありがとうございました。
皆さんのお蔭で、とても貴重な体験を和気あいあいと、楽しみながら、お手入れをさせて頂くことができました。ありがとうございました(^-^)
（36歳、女性、高山市）
先日はありがとうございました！家主さんも仰っていましたが、今回あのような企画があったお陰でたくさんの方との新しい縁が出来ました。
普段の生活の中では絶対繋がらなかった縁だと思います。だから、行って本当に良かったと思っています。
飛騨の方達は温かい方が多いね、と帰りの車の中でも友達と話していました。昔の話もお聞き出来て息抜きの時間も楽しかったです！
お掃除の時間も勿論ですが・・・。これからも都合がつく時は是非参加させて頂きたいなぁと思っています。どうぞまた宜しくお願い致します。
（24歳、女性、長野県飯田市）